レビュー対象と使いどころ
River Review は、PR diff だけをレビューするツールではありません。
AI 支援開発では、コードが書かれる前に多くの判断が発生します。要件の解釈、設計方針、実装計画、テスト方針、完了報告の粒度が曖昧なままだと、実装後のレビューだけでは手戻りが大きくなります。
River Review は、こうした判断を アーティファクト として受け取り、チーム所有の Skill でレビューします。
実装状況
このページは、River Review が目指す 概念上のレビュー対象 を説明しています。現時点の CLI サポート状況は次のとおりです。
- CLI のサブコマンドは、上流 / 中流 / 下流の 3 フェーズに対応する。
review planとreview exec --planは利用できる。review verifyは未実装である(#802、現状は exit code 3 を返す)。- 実行前の要件・設計レビューや実行後のレポートレビューは、アーティファクト入力(review-self / review-external / pbi-input / plan など)として渡すことで実現できる。ただし、専用の「要件レビュー」や「レポートレビュー」という CLI モードは存在しない。
以下の概念整理はそのまま有効ですが、CLI コマンドとして直接対応しない対象がある点に注意してください。
レビュー対象
| 対象 | タイミング | River Review が確認すること | 代表的な入力 |
|---|---|---|---|
| 要件 | 実行前 | 目的、成功条件、スコープ、対象外、不明点が明確か | Issue、PBI、ユーザー要求、受け入れ条件 |
| 設計 | 実行前 | 既存設計と整合しているか、責務分離が適切か、過剰実装でないか | ADR、設計メモ、アーキテクチャ方針 |
| 計画 | 実行前 | 作業分割、影響範囲、リスク、テスト方針が揃っているか | Plan、Work Packet、検証方針 |
| 差分 | 実行後 | 実装が要件・設計・計画と整合しているか | PR Diff、変更ファイル、テスト差分 |
| レポート | 実行後 | 判断根拠、検証結果、未解決事項、Evidence が残っているか | Final Report、レビュー結果、検証ログ |
実行前レビュー
実行前レビューの目的は、AI エージェントや開発者が着手する前の段階で、曖昧さとリスクを減らすことです。
Requirements Review
要件レビューでは、作るべきものが明確かを確認します。
主な観点:
- ユーザー要求や Issue との対応があるか
- 成功条件が具体的か
- スコープと対象外が明示されているか
- 不明点が実装前に列挙されているか
Design Review
設計レビューでは、実装方針が既存設計と整合しているかを確認します。
主な観点:
- 既存アーキテクチャと矛盾しないか
- 責務分離が適切か
- 過剰実装になっていないか
- 将来拡張性と実装コストのバランスが取れているか
Plan Review
計画レビューでは、実装に入れる粒度まで作業が整理されているかを確認します。
主な観点:
- Work Packet として作業単位が分割されているか
- 影響範囲が明示されているか
- リスクと制約が列挙されているか
- テスト方針と検証コマンドがあるか
- 人間承認を要する条件が明示されているか
実行後レビュー
実行後レビューの目的は、作られたものが計画やチーム基準から逸脱していないかを確認することです。
Diff Review
差分レビューでは、PR diff や変更ファイルを確認します。
主な観点:
- 実装が要件・設計・計画と整合しているか
- 不要な変更や大きすぎる変更が含まれていないか
- セキュリティ、アクセシビリティ、依存関係、migration などのチーム基準に違反していないか
- テスト差分が変更内容に見合っているか
Report Review
レポートレビューでは、作業完了時の判断根拠と検証結果を確認します。
主な観点:
- 何を変更したかが説明されているか
- どの検証を行ったかが残っているか
- 未解決事項や既知の制約が明示されているか
- Evidence として後から追跡できる情報が残っているか
PlanGate との関係
River Review と PlanGate は競合しません。役割が違います。
| ツール | 役割 |
|---|---|
| River Review | 要件・設計・計画・差分・レポートをレビューし、問題点・リスク・不足情報を指摘する |
| PlanGate | River Review の結果や計画情報をもとに、GO / NO-GO / NEEDS_REVISION のような進行可否を判定する |
つまり、River Review は レビューする。PlanGate は 止める / 通す。
PlanGate が実装前のゲートを担う場合でも、River Review はその前段で要件・設計・計画のレビュー結果を提供できます。
使い分けの例
| やりたいこと | 使うレビュー |
|---|---|
| Issue が実装可能な粒度か確認したい | Requirements Review |
| 設計方針が既存アーキテクチャと矛盾しないか確認したい | Design Review |
| AI エージェントに渡す計画が十分か確認したい | Plan Review |
| PR 差分が計画から逸脱していないか確認したい | Diff Review |
| 作業完了報告に検証結果と根拠が残っているか確認したい | Report Review |
重要な前提
River Review は、人間の判断を置き換えるためのものではありません。
チームの判断基準を Skill として明示化し、抜け漏れを減らし、人間がより重要な判断へ集中できるようにするためのレビューエンジンです。